部屋の出入り口の上に絵葉書が一枚画鋲でとめたままになっているのですが
ずいぶんながいことそこに貼ったままになっています。
版画家による多色刷りの木版画を印刷したもので、N県にある島の冬山が描かれています。
私はこれがすこし気に入ったので数度の引っ越しにもかかわらず、いつも部屋のどこかにおいていました。
掃除のときや、考え事でうわのそらになったまま目がさまよっているとき
よく絵葉書に目がとまり
絵葉書を送ってくれた人のこと、当時のさまざまなシーンの断片を思い出します。、
そのとき自分や周りの人々がどんな気持ちで日々を送っていたのでしょう。
大変だった・・・という言葉だけでは表せない、一つの時期に対して
その頃とあまり変わりばえしないように思える自分と、年月により容赦なく変貌していく自分に対して
思いを巡らせます。
色あせて古びていくだけのものを、身の回りにとって置こうとするのは
単なる感傷だけでなく、現在に対しより広い心のはたらきが行われるように、
品々が抱えている過去の時間の中に、自分自身を「浸させる」ためであって
知らず知らずのうちに
過去の品々にそんな役割を負わせているのでは・・・?
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